PROJECT 02 電力自由化に伴う、社会システム改修プロジェクト

PROFILE

Y.H
システム事業本部
エネルギー・電力システム事業部
2010年入社/工学研究科 量子エネルギー工学専攻卒

大学では量子エネルギー工学を専攻。卒業論文で加速器の自動化システムの開発に取り組む。その際、自分で考えた仕組みを実際に形にできるソフトウエアに可能性を感じ、就職活動ではIT系の会社を志望。独立系のため幅広いフィールドで社会貢献できること、教育制度が充実しており、実際に技術を習得しつつ人財を育てていることに魅力を感じ、当社に入社を決める。

電力自由化を支えるシステムの成長とともに、
自分自身の成長も実感している。

2016年4月に家庭などに向けた電力小売りの全面自由化がスタート。これによって消費者は従来の地域ごとの電力会社だけでなく、様々な会社の電気料金プランを自由に選べるようになった。そして、2020年には電力自由化をより推し進めるための法律が施行され、新たな電力ネットワークの仕組みも完成する。アドソル日進では、国を挙げたこの巨大プロジェクトにパートナ企業とともにスタート時から参加。今回はそのプロジェクトに約5年にわたって携わってきたHのインタビューを通して、社会インフラを支える技術者の仕事の魅力を紹介していく。

このプロジェクトに
参加した時の気持ちを
教えてください。

アドソル日進では以前から、ガスや鉄道といった社会インフラを支えるシステム開発には豊富な実績がありました。そうした実績を評価され、今回のプロジェクトにも関わることに。ただ、電力会社のシステム開発自体私にとっては初めての挑戦でした。さらに、電力自由化が始まるまでの期間は短い周期でのリリースが求められ、「チャレンジ」という言葉がぴったりのプロジェクトでした。さらに、自由化がスタートした後は、システムの性能改善という新たな難題と向き合うことになり、技術者としての「成長」も求められました。ちなみに、私が携わったシステムをもう少し詳しく説明すると、電力の「託送システム」に関わるシステムの一部である「帳票システム」。電力自由化に伴って参加した新しい電力会社が、既存の電力会社の送電線を実際にどのくらい使っているかという数字を測り、帳票として出力するシステムです。

まず、プロジェクト参加時の
気持ちと、電力自由化が
始まるまでの仕事内容について
教えてください。

もともと新しいことに取り組むのが好きだったこともあり、このプロジェクトのリーダから声が掛かった時も「また新しいことに挑戦できる」といった気持ちでした。このプロジェクトにおける私のポジションはサブリーダで、その役割は仕様調整から設計・技術調査まで多岐にわたります。お客様から要件を聞き出し、どのようにすればお客様の要件が実現できるのか、そのための技術を調べて、チームのメンバーに実現方法を教えていきました。時にはメンバーの進捗を管理することもあり、プロジェクトでは常に状況に応じた臨機応変な行動力が求められましたね。とくに最初の頃は、様々なタスクを並行して走らせるためのスケジュール管理は苦労しました。技術的なことだけでなく、自分たちが関わるサービスや仕組みそのものについてもできるだけ事前に調べ、お客様との打合せでは単なる御用聞きではなく、相談相手が務まるように常に心がけました。

電力自由化が始まった後は
どのような仕事に
取り組んでいるのですか?

2020年に電力自由化をより推し進めるための新たな法律がスタートすると、日々処理しなければならないデータ量が現行のシステムの約10倍以上にふくれあがります。そのため、2016年に築き上げたシステムを担当箇所ごとにさらに強化する必要があり、現在、私たちも保守運用業務に加えて、そうした性能改善に取り組んでいる最中です。電力システムは人々の毎日の暮らしに欠かせないもの。とくに私たちのパートは利用料金の算出にも使われるため、絶対にミスは許されません。性能改善に取り組むうえで心がけているのは、各メンバーが主体的に意見を出し、挑戦できる状況をつくりあげること。小さな気づきや心配ごとも漏らさずすくいあげるようにしています。また、新しい処理方法などを考える際は、これまでに携わってきた過去の仕事が役立っていますね。私は企業のWebサイトや大学のイントラネット、携帯電話基地局の監視システムまで、様々なプロジェクトに携わってきましたが、それぞれの仕事の中で学んだことが自分のアイデアの引き出しを増やしてくれています。こうした多種多様なプロジェクトに関わり、技術者としての幅を広げられるのは、当社の大きな魅力のひとつではないでしょうか。

このプロジェクトを通して、
成長した点はどこですか?

様々な視点を持って、仕事に取り組めるようになりました。プロジェクト前半は協力してくれる外部メンバーの入れ替わりも多く、新しく入ってきたメンバーがすぐ仕事に取り掛かることができ、かつ品質を保つことができるようにするにはどうすれば良いかといった視点で、コーディングをアシストするツールや自動で開発環境を整備するツールなど、自分なりに考え、用意していきました。また、お客様との打ち合わせの際は、お客様の目線に合わせて、難しい専門用語などは使わず、システムの内容をできるだけ理解してもらえるようにしました。さらに最近では、プロジェクトの今後を見つめ、後輩の育成に力を入れるようになっています。社会インフラを支えるシステムは長期間にわたってプロジェクトが継続するため、次の世代へのバトンタッチは欠かせません。臨機応変に対応できる技術者を育てるため、あまり具体的な指示は出さずに見守るなど、これまでとはまた異なる視点で仕事をしています。同期と集まっても、このプロジェクトに参加したばかりの頃は、自分たちの仕事の悩みばかり話していたのが、最近では後輩の悩みを話しています。こうした変化は、成長の表れだと思います。
今回のプロジェクトを通して、「電力自由化のためのプラットフォームづくり」とも呼べる社会的にも意義のある大きな仕事に、一人の技術者として取り組む面白さややりがい、達成感はある程度味わうことができたかなと思います。この後は、マネジメントの勉強に挑戦してみたいですね。チームとして最大の力を出すにはどうしたらいいか。規模は小さくなっても、プロジェクト全体をより見渡せる立場で仕事をしてみたいと考えています。そして、いずれは自分自身の作ったシステムで世界を驚かせたい。多くの人を幸せにできたらと考えています。

アドソル日進の、
ここが魅力!
まず、先輩方の技術力が高いと思います。セキュリティやIoTの分野では世界的に見ても最先端の技術に取り組んでいる先輩たちが多くいます。地方出身の人も多いせいか素朴な人が多く、やさしく教えてもらえるのも魅力です。また、技術者としてのスキルアップの環境が非常に整っていると思います。資格取得も奨励しており、その勉強の中で学んだことを実践で活かすこともできます。担当できるプロジェクトの分野や規模が幅広いことも大きな魅力。飽きることなく、それぞれのプロジェクトを通して大きく成長できます。情報系でないからと思っている方でも、イチから学べる環境が整っていますので、やる気さえあれば大丈夫です。